- スポーツクライミング用のハーネスってどれを選べばいいの?
- 基準となるハーネスを教えてほしい。
- おすすめのハーネスをいくつか知りたい。
こんなご要望にお答えします。
リードクライミングを始める際に必要なのがハーネスです。
ただ、一口にハーネスといってもさまざまな種類があります。
あまりにもいろいろありすぎて、「どれから試せばいいの!?」とお困りではありませんか?
本記事では、これからリードクライミングを始めるという初心者さんに向けて、
を紹介していきます。
クライミングハーネス選びの参考にしてみてくださいね。
この記事を書く私はリードクライミング歴5年以上の愛好家。
今までいろいろなジムや岩場でリードクライミングを楽しんできました。
その経験から本記事を書いていきます。
本記事を届けたい人
はじめに、大変恐縮なのですが、本記事を届けたい人を次のように定めさせていただきます。
- これからリードクライミングを始める初心者さん
- やりたいのはシングルピッチのスポーツクライミング
- (登山的なクライミングにも少し興味がある)
- 「シングルピッチのスポーツクライミング」とは、クライミングジムで行うようなクライミング形態のことです。
- 「登山的なクライミング」とは、沢登りやアイスクライミング、マルチピッチのことを指します。
以上に当てはまる方に向けて記事を書いていきます。
(3については当てはまらなくても大丈夫です)
筆者のクライミングハーネス遍歴
まず、筆者のクライミングハーネス遍歴をご紹介します。
のちのちの説明とリンクするところもあるので、ぜひ読んでみてください。
筆者の身体サイズと、選んだハーネスのサイズもあわせて記載します。
サイズ選びの参考にもどうぞ。
筆者の身体サイズ
- ウエスト:75cm
- ヒップ:91cm
- ワタリ廻り:53.5cm
筆者の身体サイズは以上のとおりとなります。
身長は178cm、体重は67kgです。
BD社:モーメンタム
私のファーストハーネスは、ブラックダイヤモンド社の「モーメンタム」でした。
リーズナブルながらもオールラウンドな性能を有した、コスパの高いハーネスです。
履き心地は良好でした。
レッグループを簡単に調整できるアジャスターがとても便利だったのを覚えています。
サイズは「S」を使ってました。
ペツル社:アジャマ
一時期、会社帰りにリードができる環境にいたことがあります。
ありがたいことなのですが、リードの装備を持って通勤するのは大変です。
電車通勤なので…。
ジムのレンタルボックスに「モーメンタム」を含むリードの装備を置いておくために、2つ目のハーネスを購入することにしました。
それが現在使ってるハーネスになります。
当時は、
- 平日は「モーメンタム」
- 休日は「2つ目のハーネス」
といった形で運用してました。
ハーネスを含むリードの装備が2セットあると、休日の突発的なお誘いにも参戦できて便利でした。
時が経ち、「モーメンタム」が傷んできたので処分し、いまに至ります。
現在使ってるハーネスは、ペツル社の「アジャマ」です。
こちらもオールラウンドに扱えるハーネスとなっています。
ペツル社のハーネスはウエストベルトの密度が高く、体に食い込みづらいのがおすすめポイント。
吊られたときの快適性は、「モーメンタム」よりも良かったです。(個人の感想です)
前方にある2つのギアループには角度がついており、クライミングギアが前に来るようになっています。
これは、クライミングギアをスムーズに取るための機構です。
この機構があることにより、(状況にもよりますが)クライミングギアがいつも同じ位置にいてくれます。
外岩でクイックドローをセットしながら登るとき、これがとても便利です。
使う順番を考えてクイックドローを準備しておけば、その順番どおりに取っていくことができます。
関連記事:おすすめのクイックドロー 5選
後ろのギアループは、バックパックを背負ったときに干渉しないよう、平面的な作りになっています。
まとめると、
- 密度が高く、体にやさしいウエストベルト
- 使いやすいフロントギアループ
- バックパックと相性が良いリアギアループ
といった点がブラックダイヤモンド社の「モーメンタム」との違いです。
サイズは「S」を使っています。
基準とすべきクライミングハーネスはペツル社のアジャマ
スポーツクライミング用のハーネスで基準とすべき製品は、ペツル社の「アジャマ」です。(個人の意見です)
その理由は次のとおり。
- パッドがほどよく厚めで幅が広いため、墜落時にかかる衝撃がマイルド。
- 吊られているときの快適性が高い。
- 利便性を追求したデザイン。
- 登山的なクライミングにも対応可能。
- 以上より、万人におすすめできるハーネスだから。
仲間のファーストハーネス選びに付き合ったときも、「まずはアジャマを履いてみて、そのあとでいろいろ決めよう。」といった流れで買い物を進めました。
スポーツクライミング用のハーネスをはじめて買うという方は、まず「アジャマ」から試着してみることをおすすめします。
そのあとに別の製品を試し、ハーネスを選んでいけば良いかと思います。
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おすすめのクライミングハーネス 3選
ここからは、スポーツクライミングに使えるおすすめのハーネスを3つ紹介していきます。
重複する箇所もありますが、ぜひチェックしてみてください。
コスパ良好!|モーメンタム
メーカー | ブラックダイヤモンド |
価格 (税込) |
約8,360円(2023年4月現在) |
サイズ展開 (メンズ) |
・XS ウエスト=61-69/レッグ=43-53cm ・S ウエスト=69-76/レッグ=48-58cm ・M ウエスト=76-84/レッグ=51-61cm ・L ウエスト=84-91/レッグ=56-66cm ・XL ウエスト=91-99/レッグ=61-71cm |
サイズ展開 (ウィメンズ) |
・XS ウエスト=61-69/レッグ=43-53cm ・S ウエスト=69-76/レッグ=48-58cm ・M ウエスト=76-84/レッグ=53-63cm ・L ウエスト=84-91/レッグ=61-71cm |
重量 (メンズ) |
300g/Mサイズ |
重量 (ウィメンズ) |
290g/Sサイズ |
レッグループの 調整 |
可 |
最初に紹介するのは、私のファーストハーネスでもある、ブラックダイヤモンド社の「モーメンタム」です。
ペツル社の「アジャマ」を推す私ですが、「モーメンタム」も決して悪いハーネスではありません。
ベーシックなハーネスの機能をちゃんと有しています。
レッグループについてるアジャスターは、フィット感を調整するときに本当に便利でした。
最大の魅力はコスパの高さにあります。
「アジャマ」が約14,300円なのに対し、「モーメンタム」は約8,360円です。
履き心地も良く、機能も充実。
初期費用を抑えたい方におすすめなハーネスです。
身長178cm/体重67kgの私はSサイズを使っていました!
スポーツクライミングに使えるおすすめのハーネス、最初に紹介したのは、BD社の「モーメンタム」でした。
万人におすすめ!|アジャマ
メーカー | ペツル |
価格 (税込) |
約14,300円(2023年4月現在) |
サイズ展開 | ・S ウエスト=71-77/レッグ=47-57cm ・M ウエスト=77-84/レッグ=51-61cm ・L ウエスト=84-92/レッグ=54-64cm |
重量 | ・S 460g ・M 485g ・L 515g |
レッグループの 調整 |
可 |
スポーツクライミングに使えるおすすめのハーネス、2つ目に紹介するのは、ペツル社の「アジャマ」です。
基準とすべきクライミングハーネスや、クライミングハーネス遍歴のところで書いたとおり、「アジャマ」はハーネスとしての完成度が高い(と個人的に思う)ので、万人におすすめできます。
とはいえ、あなたの体にあわなければ意味がないので、ぜひ試着してみてください。
身長178cm/体重67kgの私はSサイズを使っています!
私の「アジャマ」は2017年モデルなので、現行モデルとは細部やカラーが違います。
現行モデルでは、ハーネス後部に5つ目のギアループが追加されました。
これがとても便利そうです。
クライミングシューズを吊っておくのにピッタリだな、と思います。
ウィメンズモデル「ルナ」
メーカー | ペツル |
価格 (税込) |
約14,300円(2023年4月現在) |
サイズ展開 | ・XS ウエスト=65-71/レッグ=46-56cm ・S ウエスト=71-77/レッグ=51-61cm ・M ウエスト=77-84/レッグ=54-64cm |
重量 | ・XS 440g ・S 470g ・M 495g |
レッグループの 調整 | 可 |
「アジャマ」のウィメンズモデルは、「ルナ」という製品になります。
女性の方はこちらをチェックしてみてくださいね。
スポーツクライミングに使えるおすすめのハーネス、2つ目に紹介したのは、ペツル社の「アジャマ」でした。
意外と万能!|ヒューロンドス
メーカー | ペツル |
価格 (税込) |
約15,400円(2023年4月現在) |
サイズ展開 | ・XS ウエスト=65-71/レッグ=48-53cm ・S ウエスト=71-77/レッグ=48-53cm ・M ウエスト=77-84/レッグ=52-57cm ・L ウエスト=84-92/レッグ=55-60cm |
重量 | ・XS 270g ・S 290g ・M 310g ・L 330g |
レッグループの 調整 |
不可 |
スポーツクライミングに使えるおすすめのハーネス、最後に紹介するのは、ペツル社の「ヒューロンドス」です。
難易度を追求するクライミングのために作られた、軽量な製品となります。
プロクライマーの安間佐千さんが使っていることでも有名です。
ヒューロンドスの特徴
軽量化のために、パッドの幅は狭め、かつ薄めに設計されています。
また、レッグループのサイズ調整はできません。
なので、「モーメンタム」や「アジャマ」よりもサイジングが重要なハーネスです。
ヒューロンドスを推す理由
私が「ヒューロンドス」を推す理由は、幅広いクライミング形態に応用が効くから。
パッドが狭く薄めなので、「モーメンタム」や「アジャマ」よりも水を保水しづらいです。
この特徴は沢登りに適しています。
アルパインクライマーの佐藤裕介さんは、「ヒューロンドス」を雪山でも使用されています。
雪山やアルパインで雪まみれになって、それが溶けたり凍ったりする。
そういう中で何日間もやっているとハーネスも凍るんですが、『ヒューロンドス』は凍る部分が少ないので、アルパインで雪が出てくるときはこれ一択ですね。
※レッグループの調整ができないので、ウェアを着込む際はそれを想定したサイズを選ぶ必要があります。
「ヒューロンドス」は収納サイズがコンパクトなところもおすすめポイントです。
スポーツクライミング用のハーネスってけっこう嵩張るため、バックパックの中では意外と存在感を放ちます。
「ヒューロンドス」は、「モーメンタム」や「アジャマ」よりもコンパクトなので、携行性が高いです。
携行性が高いハーネスを選べば、バックパックをより効率的に使うことができます。
とはいえ、登山的なクライミングに使うハーネスには、もっと軽量でコンパクトな製品もあるので、その点はご留意ください。
私が伝えたいのは、「スポーツクライミングとの併用を考えたとき、ヒューロンドスは選択肢となり得るハーネスですよ」ということです。
筆者がヒューロンドスを選ばなかった理由
私が「ヒューロンドス」を選ばなかった理由は、吊られたとき、パッドが食い込んで少し痛かったからです。
スポーツクライミングではロープに吊られた状態になることも多いため、「これはストレスになるな」と思い、候補から外しました。
私はクライマーにしてはそこそこ体重があるほう(67kg)だと思うので、痛みを感じたのはそれが原因かもしれません。
最終的には、パッドの幅が広くて厚めな「アジャマ」を選びました。
登山的なクライミングに力を入れていたら、「ヒューロンドス」を選んだと思います。
やっぱり収納サイズがコンパクトなのがいいですね。
登山的なクライミングにも興味がある方は検討してみてはいかがでしょうか?
スポーツクライミングに使えるおすすめのハーネス、最後に紹介したのは、ペツル社の「ヒューロンドス」でした。
各ハーネスのスペック比較表
メーカー | 価格(税込) | 特徴 | サイズ展開 | サイズ詳細 | 重量 | レッグループの調節 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
モーメンタム (メンズ) |
BD | 約8,360円 | ・コスパ良好 | XS/S/M/L/XL | [ Mサイズの場合 ] ウエスト/76-84cm レッグループ/51-61cm |
300g/Mサイズ | 可 |
モーメンタム (ウィメンズ) |
BD | 約8,360円 | ・コスパ良好 | XS/S/M/L | [ Mサイズの場合 ] ウエスト/76-84cm レッグループ/53-63cm |
290g/Mサイズ | 可 |
アジャマ (メンズ) |
ペツル | 約14,300円 | ・基準となる製品 | S/M/L | [ Mサイズの場合 ] ウエスト/77-84cm レッグループ/51-61cm |
485g/Mサイズ | 可 |
ルナ (ウィメンズ) |
ペツル | 約14,300円 | ・アジャマのウィメンズモデル ・基準となる製品 |
XS/S/M | [ Mサイズの場合 ] ウエスト/77-84cm レッグループ/54-64cm |
495g/Mサイズ | 可 |
ヒューロン ドス |
ペツル | 約15,400円 | ・意外と万能 ・軽量コンパクト |
XS/S/M/L | [ Mサイズの場合 ] ウエスト/77-84cm レッグループ/52-57cm |
310g/Mサイズ | 不可 |
※2023年4月時点の情報です
各ハーネスのスペック比較表を作ってみたので、よかったらご活用ください。
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ハーネスは試着してから買おう!
クライミングハーネスはお店で試着してから買うことを推奨します。
なぜなら、人によって合う合わないがあるからです。
また、安全のためにはサイジングも重要になります。
以上より、クライミングハーネスを試着せずに買うのはおすすめできません。
販売ページへのリンクを張らせていただいてはいますが、クライミングハーネスは登山用品店などで試着してから買うことを強く推奨します。
アジャマから試着すれば、スムーズにお買い物を進められますよ!
本記事のまとめ
本記事は「おすすめのスポーツクライミング用ハーネス3選と、選び方に関する所感」について書きました。
記事内で紹介した以外にも、さまざまな製品が市販されています。
ぜひお店で楽しみながら、あなたにあったハーネスを見つけてくださいね。
以上、アキラでした。