- 「おつかれ〜。じゃあ、この安環にクローブヒッチでセルフとって。」
- 「セルフとった?ビレイ解除するけどOK?」
- 「ここはクライムダウンだから注意してね。懸垂だと時間かかるからさ。」
マルチピッチクライミングにはたくさんの専門用語があります。
あまりにも多すぎて、「なにから覚えればいいの!?」と混乱してる方も少なくないハズ。
私もそのひとりでした。
今回はそんな方に向けて、「マルチピッチ初心者が最初に覚えたいクライミング用語 7選」を、筆者なりに紹介します。
この記事を書く私は歴7年のクライミング愛好家。
ボルダーがメインですが、リードやマルチピッチも嗜んでいます。
私がまだマルチ初心者だった頃、困った経験(の一部)から本記事を書いていきます。
マルチピッチの予習としてお役立ていただければ幸いです。
それではいってみましょう。
マルチピッチ初心者が最初に覚えたいクライミング用語 7選
セルフビレイ
「セルフビレイ」とは、安全確保のため、壁(支点)と自分を繋ぐことを指します。
「自分で確保する」、だからセルフビレイです。
用いる道具には、スリングやロープ、セルフビレイコードなどがあります。
マルチピッチの基礎となる技術です!
- セルフ
- 自己確保
「セルフとった?」
クローブヒッチ
「クローブヒッチ」とは、(主に)セルフビレイをとるときに使うロープワークです。
やり方は上の動画で詳しく解説されてます。
右手左手、カラビナのゲートの向きに関わらず、いつでもクローブヒッチを結べるように反復練習しておきましょう。
- 特にナシ
「クローブヒッチでセルフをとる」
ビレイ解除
ビレイを解除することです。
ビレイ解除の大まかな流れはこんな感じ。
- パートナーから「ビレイ解除ー!」というコールを受ける
- ビレイデバイスからロープを抜く(ビレイを解除する)
- 「解除しましたー!」と、大きな声でパートナーに伝える
- 登る準備をする
この辺のやりとりは実際にやってみないとわからないので、サラッと流しますね。
- 解除ー!
- オフビレイ
- ビレイオフ
クライマーA「ビレイ解除ー!」
クライマーB「解除しましたー!」
懸垂下降
「懸垂下降」とは、ロープを使った下降技術のことです。
これもマルチピッチでは基礎となる技術。
同時に、死亡事故が多い技術でもあります。
繰り返し練習して、しっかり習得しましょう。
状況にもよりますが、私は、Kuri Adventuresさんが発信している懸垂下降システムを主に使用しています。
- 懸垂
- ラペリング
- ラッペル
下降路はかなり危ないから、懸垂で降りよう。
コラム 下降技術BIG3
下降技術BIG3を紹介します。
- クライムダウン
- ロワーダウン
- 懸垂下降
❏ クライムダウン
クライムダウンとは、ホールドを使い、クライミングで下降することです。
ジムでも馴染み深い下降技術ですね。
❏ ロワーダウン
ロワーダウンとは、ロープを張ってもらい、ビレイヤーに降ろしてもらうことです。
ロワーダウン pic.twitter.com/cXfHm7TmqJ
— アキラのソトアソビ (@akira_sotoasobi) April 10, 2021
- クライムダウン
- ロワーダウン
- 懸垂下降
この3つの用語については、それぞれの違いをしっかり認識しておきましょう。
支点構築
「支点構築」とは、後述するスリングや安全環付きカラビナを使って、壁を登るための拠点となる場所を作ることです。
- 固定分散
- 流動分散
- 可動域制限付き流動分散
など、これにもやり方がいろいろあります。
詳しく知りたい方はYoutube先生に聞いてみてください。
- 支点を作る
「立ち木も使って支点構築してね」
スリング
筆者は、60cmが青、80cmが橙、120cmが黄と、色分けしている。
「スリング」は、支点構築や中間支点、セルフビレイに使うクライミング道具です。
- ナイロン
- ダイニーマ
- ケブラー
といったように、何種類か素材があります。
「ダイニーマは軽くて水に強いかわりに、熱に弱い」みたいな、注意したい素材特性もあるので、それぞれの特徴を押さえておきましょう。
あと、スリングをシュリンゲと呼んでる人がいたら、かなりのベテランなので敬意を払いましょう。
- シュリンゲ
途中、いい感じのピナクルがあるから、スリングでランニング(中間支点)とってね〜。
安全環付きカラビナ
安全環付きカラビナとは、ゲートが誤って開かないように安全装置(安全環)が付いたカラビナのことです。
- 変形D型
- HMS(洋ナシ)型
- オーバル型
- などなど
- スクリュータイプ
- ツイストロック
- マグネットロック
- などなど
といったように、これもまた種類いろいろ。
ここでは「安全装置がついたカラビナの総称を安全環付きカラビナと呼ぶ」ということを押さえてもらえればOKです。
- 環付き(かんつき)
- 安環(あんかん)
- 安環ビナ(あんかんびな)
- ロッキングビナ
「環付き持ってる?」
マルチピッチ初心者が最初に覚えたいクライミング用語 7選 まとめ
本記事は「マルチピッチ初心者が最初に覚えたいクライミング用語 7選」について書きました。
- スリングの素材特性
- 状況に応じた支点構築
- ビレイデバイスを落としたらどうするか
などなど、正直、マルチピッチは難しいです。
しかし、マルチにはマルチの喜びがあります。
吹き抜ける風と、すばらしい景色。
ルートを登りきったときの達成感。
下山したあと、パートナーと地上で飲むコーラは最高です。
世界が広がる遊びなので、興味がある方は、講習などを通してぜひチャレンジしてみてください!
あなたのクライミングライフがさらに充実することを祈ってます。
マルチピッチ用語集 おまけ
「マルチピッチ初心者が最初に覚えたいクライミング用語 7選」と言っておきながら、もう少し紹介したい用語が出てきたので、追記します。
残置
ルートに残されているクライミングギアのこと。
一口に残置と言っても、スリングやカラビナなど、その種類はさまざま。
傷んでいることもあるので、信用しすぎてはいけない。
ナチュプロ
ナチュラルプロテクションの略称。
カムやナッツといった、ボルトを必要としないプロテクションや、クライミングスタイルのことを指す。
アルヌン
カラビナとダイニーマスリングで作ったクイックドローのこと。
正式にはアルパイン・ヌンチャクと呼ぶ。
スリングを伸ばすことで、ロープの流れがスムーズになるように調整できる。
スリングを伸ばさず、写真のままセットしてもOK。
回収
設置した装備を回収すること。
「回収しながら登ってきて」と言われたら、先に登った人がセットしたクライミングギアを回収しながら登る。
ザイル
ロープのこと。ドイツ語。
登山主体のベテランクライマーが呼んでたりする。
アンザイレン
互いにロープを結び合うこと。
末端と末端をそれぞれのハーネスにエイトノットで結び、お互いを確保する。
マルチピッチは、基本的にアンザイレンした上で行う。
(個人的に)かっこいいと思うクライミング用語、第1位。
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おわりに
以上となります。
本記事で紹介した用語は、教える側が「初心者にわかる言葉で説明しよう」と気をつけていても、ついつい使ってしまいがちな用語です。
これらを覚えておくと、講習もスムーズに進むかと存じますので、無理のない範囲で学んでみてください。
どうも、アキラ(@akira_sotoasobi)でした。