ビレイ用のHMS型(洋ナシ型)安全環付きカラビナに反転防止機構が備わったものが一般的になってきました。
本記事では、その中のひとつ、エーデルリッド社の「HMSストライクFG」をレビューします。
個人的にはちょっと「う〜ん…」という評価です。
同時期に購入したカンプ社の「アトムビレイロック」のほうがビレイ用の安全環付きカラビナとして扱いやすいと感じました。
詳しくは記事内で解説しますので、HMSストライクFGが気になっている方はぜひ読み進めてみてくださいね。
それではいってみましょう。
エーデルリッド HMSストライクFGの外観・特徴
「HMSストライクFG」はエーデルリッド社が企画・販売している安全環付きカラビナです。
この項目では、HMSストライクFGの外観・特徴を見ていきます。
外観(表・裏・細部)
まず、外観は以上のとおりとなっています。
ノーズの形状はこんな感じです。
細部刻印は以上のとおりです。
画像タップで拡大できるので、気になるところがあったら拡大してみてください。
次に、HMSストライクFGの特徴を解説します。
スクリュータイプのHMS型安全環付きカラビナ
まずHMSストライクFGは、おもにビレイや懸垂下降に使用する、スクリュータイプのHMS型(洋ナシ型)安全環付きカラビナです。
反転防止機構を搭載
HMSストライクFGには反転防止機構が備わっています。
反転防止機構とは、ビレイ時に安全環付きカラビナを常に正しい位置で使うためのものです。
カラビナは横方向の荷重に弱いので、常に縦向きで使う必要があります。
ところが、反転防止機構のない安全環付きカラビナでビレイしていると、カラビナが横を向いてしまうことがたまにあるのです。
横向きにならないよう注意しても限界があるので、正しくビレイするには反転防止機構が備わっている安全環付きカラビナの使用を推奨します。
HMSストライクFGの反転防止機構は、カラビナの中心部に向かって開く「内開き」方式です。
反転防止機構を開けるときの負荷はちょっと硬めでした。
ちなみに、反転防止機構は、カンプ社のアトムビレイロックという安全環付きカラビナのほうが開けやすかったです。
関連記事 アトムビレイロックの詳細レビューはこちら
以上で「エーデルリッド HMSストライクFGの外観・特徴」の項目をおわります。
エーデルリッド HMSストライクFGの強度・サイズ・重さ
この項目ではHMSストライクFGの強度・サイズ・重さを見ていきます。
強度
HMSストライクFGの強度は以上のとおりです。
サイズ・重さ
- 縦:約10.1cm
- 横:約7.0cm
HMSストライクFGのざっくりした大きさは以上のとおりです。
手のひらにのせるとこれくらいのサイズ感になります。
ゲート開口幅(ゲートクリアランス)は約2.2cm。
フレームボディトップの幅は約1.1cm。
ノーズの幅は約0.6cmです。
重量は約72gでした。
以上で「エーデルリッド HMSストライクFGの強度・サイズ・重さ」の項目をおわります。
エーデルリッド HMSストライクFGの使用レビュー
ここからは、HMSストライクFGを使ってみて感じたことを書いていきます。
反転防止機構により安全性が高い。
HMSストライクFGには反転防止機構がついています。
これにより、常に正しい位置でビレイができるので安全性が高いと感じました。
サイズが小さく、引っかかりを感じた。
HMSストライクFGは、私にはサイズが小さすぎたためか、ギアラックギアラックから取り出すときや、ビレイループから外すときに引っかかりを感じました。
また、カラビナのサイズが小さい分、おのずと内径も小さくなります。
その小さな内径の中に反転防止機構のスペースがあるため、ビレイデバイスとセットで使うとき、どうも手狭に感じてしまうのです。
ですので、「反転防止機構がついた安全環付きカラビナは大きめなもののほうが総じて扱いやすいのではないか?」というのが自分なりの仮説です。
話を戻すと、
- 引っかかりを感じた
- カラビナの内径が手狭に感じた
以上2点を結構ストレスに感じてしまったというのが正直な感想となります。
ビレイ時の扱いやすさで比べるなら、同時期に購入したカンプ社のアトムビレイロックのほうが扱いやすいと感じました。
セルフビレイコード「PAS」と併用するのが良いのでは?
HMSストライクFGは、「PAS」や「ダイナミックPAS」といったセルフビレイコードを併用するのが良いのではないかと思いました。
セルフビレイコードとは、マルチピッチ・クライミング等で使うクライミングギアです。
PASはメトリウス社が企画・販売しているセルフビレイコードになります。
通常、PASは変形D型の安全環付きカラビナとセットで使います。
しかし、変形D型の安全環付きカラビナを通すループが大きすぎて、カラビナがループから外れてしまうことが多々あるのです。
カラビナがループから外れると危険ですし、時間のロスです。
PASを使う多くの人は、上の写真のように、ビニールタイでループを絞って使っています。
こうすることにより、カラビナがループから外れるのを防ぎます。
反転防止機能のあるHMSストライクFGをPASとセットで使えば、ループから外れるリスクを低減できます。
変形D型の安全環付きカラビナがPASのループから外れてしまうことにお悩みの方は試してみてはいかがでしょうか?
関連記事 PASの詳細レビューはこちら
以上、「エーデルリッド HMSストライクFGの使用レビュー」でした。
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HMSストライクFGと一緒に揃えたいもの
HMSストライクFGと一緒に揃えたいものは、ペツル社のビレイデバイス「ルベルソ」です。
ルベルソは、個人的に最強のビレイデバイスだと思っています。
以下にレビュー記事へのリンクを張っておきますので、気になった方は読んでみてくださいね。
エーデルリッド HMSストライクFG レビューまとめ
本記事は「【エーデルリッド HMSストライクFG レビュー】反転防止機構を備えたコンパクトな安全環付きカラビナ。その実力は?」について書きました。
「HMSストライクFG」は反転防止機構のついた安全性の高いHMS型(洋ナシ型)安全環付きカラビナです。
カンプ社のアトムビレイロックと比べると「う〜ん…」といったところですが、PASなどのセルフビレイコードとの組み合わせで効力を発揮するかと思います。
気になった方はぜひチェックしてみてくださいね。
以上、アキラでした。